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日本語に直訳すれば、「俺たちゃもう、オフロードだ!」つまり、「普通の人生のレールを外れて、道なき道を進んでる」てな意味だろう。
 こんな言葉が心地良くひびく夜は素敵だ。今夜。はぐれ者達の遠吠え、なぐさめにも聞こえるだろうこんな言葉が心地良くひびいたのは 久しぶりのことだ。
 冬なのに春みたいに暖かい風邪が吹いた今日は、四月病気味の何だか道に迷ったような、急に自分のしていることに 自信が持てなくなったようなやるせない気持ちだった。そんな夜に俺のスイス人の親友、ペルージャに来てから一年、初めて親友と呼びたい 気分にさせてくれた男が俺を飲みに誘ってくれた。酒場はご機嫌なライブを聴かせてくれた。久しぶりに、音にひたれる喜びを感じた。また 歌いたい、俺の音楽で誰かに喜んで欲しい、そんな気分になったのは久しぶりだった。
 中国にいて留学仲間や地元の中国の友たちと 一緒に音を楽しんでいたころを懐かしく思った、三島の大学時代、駅前で歌っては酔っ払いを踊らせていたころを心から懐かしく思った。 そして今もギターが俺のかたわらにあり、今でも俺の歌を喜んでくれる友がいることを幸せに思った。「 歌わねば 」自分の中に音楽ぬ きでは自分でいられないような、自分の体のように、欠かせないものがあるのを強く感じた。
 音楽はいい。音楽がある暮らしはいい 。音楽に導いてくれた俺の人生もいい。ギターがなければ、中華人民共和国雲南省昆明市文林街のカフェ・ラビアンローズがなければ、イ タリアの恋人にも出会えなかっただろう。幸せなことだと思う。人の運命に神の意思がかかわるものなら、神に感謝したい。今までの道の りで出会った全ての人にも感謝したい。オフロードをいつも歩んできた、ひねくれ者の自分にも感謝。
 
 三月で学校が終わ る。今また、選択の時が来た。けれども、一度レールを外れたことを思い出した今夜は少し気楽に未来に向かえる気がする。これまで 、これだけ素敵に生きてこれたのだから、これまで通りに続けてもバチは当たるまい。
 万が一、バチが当たったとしても、、、 俺には幸せな思い出がいくらでもある。


今夜に巡り会えてよかった。

2001年2月8日ダニエルがスイスに帰る前にともに飲み、酔っ払いながら記す。

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