モントットーネ村から

第4号コーヒー談義(1)

2003年12月5日

 

リラックス  

コーヒー談義(其の一)『モカ』


村酒場

 今日はモントットーネ村のBar・バール(カフェ酒場・右の写真)をご紹介しようと思って、いくらか写真を撮ってきました、が、家で改めてコーヒーをいれながら、考えを変えました。
 バールはまたいつか紹介いたします。
 日本でもイタリアン・エスプレッソ、カフェラテ、カプチーノなどが楽しめるようになってきましたね。イタリアにも勿論、まずいエスプレッソを出すバールが時々ありますが、残念ながら、日本のカフェのエスプレッソはなかなか合格点に達するものがありません。それを分かっていながら私は、日本に帰るたびに、ふたたび冒険してはがっかりすることが多いのです。アメリカ・チェーンの某カフェには、カフェマスターだとかいうしっかりとした研修制度があるなんて以前に聞きましたが、イタリアの味はまだよく伝わり切っていないようですね。がっかりした私が、実家に帰って飲みなおすのが、今日ご紹介する家庭のエスプレッソ『モカ』コーヒーなのです。

モカ・コーヒー  イタリアの家庭でコーヒーを飲む時は、右の「モカ」と呼ばれるアルミ製の家庭用エスプレッソ・メーカーを使うことが多いです。
 これも一応エスプレッソ(英語のエキスプレス、「特急」「はやい」)コーヒーですが、バールで飲む、電気式の業務用エスプレッソ・メーカーのそれとは味もちがいますし、エスップレッソというには少々時間がかかります。
 そこで一般には、モカでいれたコーヒーのことをエスプレッソとは呼ばないようです。「moka(またはmoca)・モカ」または単に「caffe'・カッフェー(コーヒー)」と呼んでいます。

 「嘘だ、辞書にそれもエスプレッソだって書いてあるぞ!」
 「モカって言うのは、モカと言う土地でとれた高級コーヒー豆のことだ!」
日本ではそうかも知れませんね。でも、モントットーネ村ではちがうのです。

 家庭用の電気式エスプレッソメーカーはイタリアで買っても高価なものなので、日本ではかなりのお値段だと思います。そこで、コーヒー好きの読者のかたは、お手ごろなモカを購入してみてはいかがでしょうか。大きさにも拠りますが、多分、三〇〇〇円から五〇〇〇円の間で見つかると思います。イタリアでは一〇〇〇円から三〇〇〇円くらいです。
 以下にモカの使用法と美味しく淹れるちょっとしたコツを説明します。
その前に失礼して、コーヒーを一杯とタバコを一服……

モカ・コーヒー モカ・コーヒー モカ・コーヒー
 

 まず、コーヒー豆を普段よりも細かめにひいてください。どのくらい細かいかは……いろいろ試してみてください。かなり細かめです。普通のエスプレッソ用のものよりは荒いようです(つまり、モカ用のマメは市販のエスプレッソ用のマメとは別物です。イタリアではモカ用と明記されています)。日本ではモカ用フィルターなるものも売っていますが、こちらでは使用しません。私は試したことがありますが、あまり結果は変わりません。
 上の写真の一つ目は、モカを分解したところです。そこから、作業が始まります。
 一枚目の写真の三つの部品を左から、1)下部2)フィルター3)上部と呼ぶことにします。
1.下部に水をいれます。中にバルブが見えますが、たいてい、バルブの半ばくらいに目印の線がついています。その高さまで、水をいれてください。(真ん中の写真参照)
2.下部にフィルターをおさめ、細かくひいたコーヒー豆(粉)をいれます。
3.粉は三番目の写真のようにフィルターの高さいっぱいまで入れますが、そこで注意です。
スプーンで押し込んだり、強い力でならしたりしないでください。かるく、かるく粉を入れて行き、盛り上がってしまった分は、押し込まずに取り除いてください。
4.上部をしっかりとねじこみます。
5.あとは弱火にかけて待つだけです。
モカ・コーヒー そのうち、ごぼごぼッと言う音がして、、、(必要はありませんが、ふたを開けると右の様な状態です。)
おいしいモカが
初めはできません。たぶん、ニガイと思います。金属っぽい味がすることでしょう。
 みなさんをだましたわけではありません。新しいモカを使う時、最初の数回はどうしてもアルミの味がしてしまうのです。使い込んで行くうちに、おいしいモカが出るようになります。
しかたありません。最初の一杯は捨てましょう。
!モカを洗うとき、できるだけ洗剤を使用しないでください。そうしないと、せっかく使い込んでも意味がありません。水ですすげば充分です。
 モカ自体はアルミの塊ですので、なかなか壊れません(ゴムパッキンは交換可能です)。大事に使い込んでやってください。何回つかっても、粉の細かさをかえても、どうしてもマズイ時は、ざんねんながら、イタリア製品には良くある「ハズレ」です。
 それはそれで、いかにも「イタリアらしい味」と言うことで、お許しください。

では、Buon caffe'・ブオン・カッフェー!
美味しいコーヒーをお楽しみください。


モントットーネ村より、
飯田 亮介


追記。
●前号は「号外」と書きながら「第三号」としっかり番号がありました。意味のない言葉の濫用、失礼しました。
●なお、写真が「×印」になって表示されない方は、もう一度、接続しなおしてから、メールを開けてみてください。それでもだめな場合は、メール閲覧用プログラム(Outlook Expressなど)の設定で、「閲覧中の接続を可能にする」などのHTMLメール用のオプションを有効にしてみてください。いちど写真が表示されれば、接続を切断していただいても構いません。


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